ねこの老化と病気

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1.ねこの年齢区分

① ねこと人間の老化の早さ

 

ねこの老化は人間と比較にならないほど早いものです。

ねこは全身を体毛で覆われているため、成猫になってからの変化には気づきにくい事も

ありますが、11歳以上はもう中年、15歳で高齢ですから、年齢につれ病気もかかり

やすくなることを理解しておきましょう。

 

   ねこの年齢     人間の年齢    ねこの年齢     人間の年齢

    1ヶ月        1歳      5年       36歳

    6ヶ月       10歳     10年       56歳  

     1年       15歳     15年       76歳

     2年       24歳     20年       96歳

② ねこの年齢区分    

 

    幼年期  6ヶ月まで     壮年期  7歳~10歳

    少年期  7ヶ月~2歳      中年期 11歳~14歳

    青年期  3歳~6歳                  高齢期 15歳以上

2.老化と病気

 

① 老化と皮膚、耳、目の変化

皮膚は、老化に伴い皮脂の分泌減少で肌がカサカサになりフケが出るようになります。

表皮下のむくみ、毛細血管拡張、表皮の肥厚化と硬化といった変性が起こります。猫ニキビや紅斑、かさぶたができることもあります。

皮膚の肥厚化・硬化から癌に進むことがあります。次第に大きくなるコブ、大量のフケや脱毛、なかなか治らない病変、皮膚が硬くなり柔軟性が著しく低下したり、爪がはがれやすくなったり、治りにくい猫にきび、耳・鼻・唇のかさぶた、紅斑などには、日頃から注意が必要です。

人間と同様年齢と共に高音域から次第に聴力が低下します。聴力が悪化するとねこは不安が増し、以前より攻撃的になったり、よく鳴くようになったりする事があります。ねこに近づくときは、驚かさないよう注意しましょう。

人間同様ねこにもレンズが白く濁る核硬化症や白内障による視力の悪化がよく観察されます。視力が落ちると、歩行が遅くなったり、高いところから降りられなかったり、ものにぶつかったりジャンプを失敗したり、ごはんやトイレの場所がわからなくなることがあります。

 

皮膚の病変は毎日のマッサージで早期発見ができます。また猫の行動を見ていて、もしかして目が見えにくくなっているのかもとか耳が聞こえなくなっているのかも…と思いあたることがあったら、早急に動物病院を受診しましょう。

② 老化と消化器官

 

人間と同様に、咬む力の低下と食道の機能低下で、うまく食べれなくなったり、吐い

しまうことが増えたりします。

 消化率の悪化を引き起こし、体重減少につながることもあります。腸管の運動低下によ

る便秘もあります。

いわゆるカリカリタイプのペットフードが硬くてうまく食べれなくなったら、水でふや

かして与えるといいでしょう。またペーストタイプをメインにするのもいいでしょう。

この場合は総合栄養食と記載のあるものを選んでください。

③ 老化と循環器

これも人間同様ですが、動脈硬化、高血圧、心肥大、心室期外収縮、心雑音、不整脈などが起こります。

これらの症状は、飼い主では見つけにくいものです。

早期発見には定期的検診がかかせません。

④ 老化と腎臓病、結石

 

元々ねこは乾燥地の動物のため、老廃物を対外に捨てる際出来るだけ尿濃縮し、水を体内に保持するように進化しています。そのため腎臓に負担がかかり、12歳を超えた猫では28%、15~20歳では81%という高い慢性腎臓病の有病率が報告されています

 

また濃い尿を排出するため、膀胱・尿管・腎臓結石を患うねこも多くなります

頻尿だったり、逆に一日尿が出なかったり、尿の色が赤かったり黒ずんでいたり、排尿

痛で鳴くようであれば、受診しましょう。

また、ねこを飼うにあたっては、いつでも新鮮な水が飲めるよう準備してお

くことが大切です。